古来より、日本人には、動物だけではなく木々にも、魂が宿ると考えました。今でも大きな木を切り倒すときには、お祓い、要は切り倒す木から、魂を抜いてしかるべき場所に、その魂は遷り鎮まり、木を切り倒した人や、持ち主に障りが起きないように、祟りがおきないように祈る神事を行うことがあります。
神道における御祈祷の本というのは、かなり衰退していて祝詞の本に比べたらあまり出版はされていませんが、それでも研究されている方は、おられて、新しい本を手に入れることもありますが、なかなか手に入らず著者を訪ねて、関東の奥まった街まででかけ、複写させて頂いたこともあります。
そうやって、私なりに研究した結果、樹齢100年以上を目安にお祓いは行うべきだと思っています。ただし、それ以下の若い木でも、周囲の古木を切り倒したときの御魂が希に、若い木に宿ることもあり、そうなると、若いといえどお祓いを行った方がよいです。
お祓いの時に、神主が「おーーー」って叫ぶのを聞かれたことがある方もいると思います。これは、神様がお出ましくださっているときです。それから、神様に神主が祝詞を奏上して木の魂を安らかに、先に書いたようにしかるべき場所に鎮まるようにお願いするのです。その神事を行って切るのです。
写真は、昨年境内の大楠に菌が入って枯れたので切り倒した後に、ひこばえが生えていました。しかし、住宅と隣接しているので、100年後を思えば今のうちに切る方がよいですね。お祓いをして切りました。美しかったけれどしかたがない。
やむを得ない事情有りとはいえ、木々もいきなり切られたくはないでしょうから、、、私は神様に木々を説得していただく気持ちでお祓いを行います、また神事を受け入れて作業を行う職人さんにしか、伐採も依頼いたしませんね。